この一年(3) コロナとビール屋

それから4月、5月。

コロナの春は、醸造所にとっては、とことんビールと向き合う貴重な時間になりました。

 

 

通常578月が店や出荷のピーク。5月はGW、その後大きなビアフェスがいくつかと、坂手が1年で一番賑やかになるオリーブマラソンが続き、毎週末がお祭り状態。そんな合間にゆっくり醸造所作業をしている暇なんてないから、冬から大量の在庫を蓄えるようにしています。去年も春までの準備はばっちり!春にはプレハブ冷蔵庫パンパンの樽とボトルが積みあがっていました。

そこから島にもコロナの影響がやってきます。結果、これまで仕込み→熟成→出荷。目まぐるしいサイクルでなくなっていた在庫が、賞味期限近くまではじめて冷蔵庫に残ることとなりました。そうなると在庫の品質が心配!品質チェックを日々繰り返しました。

 

(品質チェック中?!↓)

 

何週間、何か月。頭にある以上にどんどんうまみを増していくものがありました。ものによっては最高にうまい!

うまみと劣化の際。おいしさのピーク。スタイル・商品によってまちまちの「飲み頃」。知ってしまうと、それを手の内で転がしたく・・管理したくてたまらなくなるし、そうでないものをもはや売りたくありません。理想は香りのあか、しろを常に短スパンで華やかなうちに出荷、くろ・きんをそれぞれの性質にあわせてしっかり熟成。定番とは別に、インペリアル系も冬にしっかり仕込み、じっくり置きたいなー。そんなことを真剣に考え始めました。

 

はぁー無理や。保管場所が足りひん!(冷蔵庫小さすぎる)。とまた施設問題にぶちあたりながら。(その話はまた今度)

そんなことから始まり、この一年程は時間があるとひたすら勉強と研究。自前自作な実験を繰り返しています。傍からみてると、大体、水ホップ酵母、ひとつ突き詰めるとまた次を突き詰めて、ぐるぐると洗濯機みたいにまわってるよう。すぐにクリアできることだといいのだけど、ここのところ本当に壁が多い。免許の壁さえ突破できれば誰でも開けるブルワリーも、ものづくりなんてそんな簡単じゃない!

 

「あー今もう一回留学行きたいなー」は最近何度も聞くセリフです。ビールももちろん、英語や化学、機械にも強くなれれば、知識や情報への幅もずーっと広がるのになー。あと10年ほしいなー笑。そんなに店閉められへんな。しょうがない、コツコツやるしかない!

 

大人になってからする勉強は面白い。勉強したいことが尽きないのもしあわせなこと。

 

 

多くのイベントもなくなり、地に足をつけてビールを極めることだけを考えている4年目。

悩みは多いけれど、とても有意義な時間。開業する頃コンセプトやなんやと考えていた夫も、今はおいしいビールのためだけにビールをつくっています。頭の中も、行動も、目的も手段も、ビール一色。

 

「おとうさんなー、ビール屋になるまで全然真剣に物事考えたことなかってん。」(?!)

「ビール屋になってほんまよかったわ。」そんなことを連呼しながら今日も醸造所に籠っています。